スペアリブ

香ばしい煙の中から現れたのは、骨からほろりとほぐれるスペアリブ。手間を惜しまず時間をかけて仕上げたシェフ渾身の一品。
このスペアリブは、まずバックリブ(豚の背中側の肋肉)をじっくりと煮込むことからはじまる。肉の繊維をやわらかくほぐしジューシーさを閉じ込める。次にヒッコリーのチップを使いスモーク、甘く芳ばしい煙が肉全体に染み込み、深みのある香をまとわせる。
仕上げに特製バーベキューソースでグリル。甘味とスパイスの効いたソースが表面をキャラメリゼし、香ばしさとコクを引き出す。
「柔らかく煮て、香で包み、火で締める。三段仕込みでようやく完成形になる」と語るシェフ宮地。「噛むというより、ほぐれる。骨から外す瞬間が一番気持ちいいかもしれませんね」と笑う。
バックリブはスペアリブ(お腹側)よりも脂身が少なく、柔らかいのが特徴。別名ベイビーバックリブ、スペアリブに比べ骨が小さいことからそう呼ばれる。海外ではバーベキューなどで人気のある部位だが、国内ではスペアリブに比べ、流通量が少ないため、手に入りにくい。
そんな貴重なバックリブを使ったスペアリブはフォークひとつで十分なほど柔らかい。肉の旨み、燻製の香、ソースの甘辛さが重なり合い、食べる人の心を掴んで離さないスペアリブがまもなく登場予定。アメリカンダイナーにふさわしい料理の提供を心待ちにしてほしい。

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